ベクトルタイは「タイでモノを広めたい」方のマーケティング支援を行っています。今回はタイならではの新たなトレンドを紹介します。
こんにちは、ベクトルタイのIrinです。
SNSが大好きなタイ人は、SNS上での流行にもとっても敏感です。
毎日のトレンドを掴んで、トレンドが終わらないうちに取り入れることを大切にしています。日本でも、SNS上で“●●チャレンジ“や、ある#ハッシュタグが流行したり、それを活用した企業の「バイラル・マーケティング」は今でも人気となっていますが、タイのマーケターたちも敏感にSNSトレンドをキャッチして、取り入れています。
今回は、タイの成功したバイラル・マーケティング事例を見てみましょう!
▋タイでのバイラル・マーケティングの特徴とは?
バイラル・マーケティング(Viral marketing)とは、思わず誰かにシェアしたくなるような商品や情報を投稿して、ユーザーが友達に紹介するように仕向けるプロモーション手法です。
タイのバイラル・マーケティングの特徴は3つがあります。
- トレンドを取り入れるスピード:タイで何かがバイラルになったら、あっという間に広まり、早いときには1日でブームが去るほどスピードが早いです。トレンドとなる期間については、コンテンツの内容とおもしろさによって、1日で終わるものから、一ヶ月程続く場合もあります。
- 決めゼリフがある:バイラルになる多くの事例では、使われる決めゼリフが決まっています。そのセリフをブランドの特徴に合わせて、コンテンツを作成するのがおすすめです。詳しくは後ほど事例で紹介します!
- いち早くバイラルに乗るブランド=評価が高い:タイではどのブランドも必ずSNSアカウントは持っていますが、一日以内にトレンドを取り入れることができたら、そのブランドがしっかりトレンドをおさえていると、SNS上のトレンドウォッチャーから評価されます。
▋タイのおもしろいバイラルの事例
☞事例① #SUPER Valentineの「ジェーン・ヌン・ボー」
これはロックダウン期間中の4月にTikTokで人気になった事例です。「SUPER Valentine」(#ซุปเปอร์วาเลนไทน์)は2014年に流行したタイの女性トリオのグループ・ヒットソング名で、「ジェーン・ヌン・ボー」は3人のメンバーの名前です。
その歌詞はこちら
「♪ジェーンです。ジェーンです。私はジェーンという名前で、ヌンとボーと一緒です。ヌンです。ヌンです。私はヌンという名前で、ジェーンとボーと一緒です。ボーです。ボーです。私はボーという名前で、ヌンとジェーンと一緒です。」
ノリの良い曲調で、覚えやすい名前と自己紹介をしながらのダンス・パフォーマンスは簡単に真似できるため、視聴者たちもついつい踊りたくなります。「ジェーン・ヌン・ボー」のバイラルは約2週間にわたって話題になり、真似して踊ったり、替え歌を歌ったりした動画がTikTok上で溢れ、Views数はなんと合計1.2億回にものぼりました。
このバイラルを次々と企業のマーケターたちも取り入れました。
▶FamilyMart (コンビニエンスストア)
歌詞:ファムです。ファムです。私はファムという名前で、お得と割引と一緒です。
意味:FamilyMart ではお得な値段と割引がたくさんあります。
▶BAR-B-Q PLAZA (焼肉チェーン店)
歌詞:ゴーンです。ゴーンです。私はゴーンという名前で、GrabとLineと一緒です。
意味:BAR-B-Q PLAZAのマスコットはゴーン(BAR-B-GON)という名前で、 BAR-B-Q PLAZAを注文したいのなら、GrabとLineを通して注文できます。
☞事例②:#ひっくり返せる?#ひっくり返せない?
次の事例は、企業発信でバイラルが始まった事例です。
アメリカ発のアイスクリーム・チェーン「Baskin-Robbins」が6月に、競合のアメリカ発のソフトクリーム店「Dairy Queen」に対するコンテンツを作成しました。Dairy Queenの特徴が「アイスクリームをひっくり返してもこぼれない」ところだということは皆が知っています。Baskin-Robbinsはその特徴をパロディにしました。
内容はこちら
「みんなが知っている。ファンも知っている。私はいつもアイスクリームを輸入している。ひっくり返さなくても、タイにおいしいアイスクリームを提供できる。」
2時間後、Dairy Queenがそのコメントに対して反応しました。
「みんなが知っている。ファンも知っている。#私たちのアイスクリームは他のところより本当においしい。こんな圧力でアイスクリームを作ったから、ひっくり返してもこぼれないのがおいしさの特徴!」
そして「#ひっくり返せる?#ひっくり返せない?」の#ハッシュタグをつけました。
そのあと、様々なブランドが注目を浴びる両社の攻防に相乗りして「#ひっくり返せる?#ひっくり返せない?」の#ハッシュタグを使って、自分の商品やサービスも紹介しました。
▶Central Plaza Bangna
タイの大手百貨店のCentral Plaza Bangnaもこの#をつけて、
「どのチームを応援しても、セントラルは全部揃えてあるよ。セントラルでアイスクリームを食べに来てね!」と参戦
▶1112Delivery
8つのブランドを扱うフードデリバリーアプリ1112Deliveryもこの#をつけて、
「#私たちの料理は全部本当においしい。みんなが知っている。ファンも知っている。1112Deliveryは様々なブランドを揃えていて、1つのアプリで全部注文できる!」と投稿
▶Major Cineplex
タイ最大手の映画館Major Cineplexもこの#をつけて、
「#私たちよりおいしいものはない。ひっくり返してもいいよ。なぜなら、全部食べちゃったからだ!」と投稿
☞事例③:BLACKPINKの新曲「How You Like That」
BLACKPINKは韓国の4人組ガールズ・グループで、約1年2か月ぶりの新曲となる「How You Like That」が、6月26日に全世界で配信開始し、世界的な話題となっていました。公式YouTubeチャンネルでミュージックビデオが公開されると、8000万回も再生されました。マーケターたちもこの機会を見逃さず、おもしろいコンテンツを取り入れます。
▶How you flip that 【Dairy Queen】
Dairy Queenのアイスクリームをひっくり返してもこぼれない特徴に合わせて「How you flip that」(どうやってひっくり返す?)というコンテンツに。
▶How you eat that 【MAE PRANOM】(タイの調味料ブランド)
タイの有名な調味料のMAE PRANOMは「How you eat that」(どうやって食べる?)のコンテンツを作成して、MAE PRANOMに味が合う料理を紹介しました。
▶How you pay that 【Airpay】
モバイルウォレットサービスのAirpayは「How you pay that」(どうやって支払う?)のコンテンツを作成して、Airpayがゲーム、映画、ビルなど様々なお支払いができるサービスだと紹介しました。
▋まとめ
いかがでしたか?これらの事例のように、タイのバイラル・マーケティングは、トレンドを取り入れるスピードの早さと、くすっと笑えて思わずシェア&真似したくなるおもしろさが鍵です!真面目すぎるストレートニュースよりも、親しみやすいコンテンツとユニークなクリエイティブが好まれます。
ぜひ、一度取り入れてみてください♪
執筆:Irin/編集:Mari
Irin | アイリン
ベクトルタイのシニアコンサルタント。埼玉大学に留学経験があり、日本には全国各地何十回と訪れている。タイ語で日本の観光地やおしゃれなカフェを紹介するページ(@irin.in.arai )も更新しています♪
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