小紅書(RED)とは、日本でのInstagramのような機能を持ち、主に中国大陸で使用されているSNSプラットフォームです。ユーザーは、毎日の気分を短い動画、写真、テキストで記録できます。
現在、小紅書の月間アクティブユーザーは2.6億人以上で、投稿は5000万件以上あり、多くの若者の消費決定にとって最も重要なプラットフォームの1つです。
小紅書は「种草(Zhǒng cǎo)」に特化したプラットフォームと言われています。「种草(草を植える)」とは、ユーザーが写真、テキスト、ビデオを用いて自分のお気に入りの製品やサービスを共有し、他のユーザーに紹介して推奨するプロセスを指します。ユーザーはREDの中で、より多くの良い製品を発見することができると同時に、ブランド側としては多くの販売・宣伝機会を得ることができるシステムが構築されています。
今回はこの中国有数のSNS 小紅書(RED)の概要とアカウント開設から運用方法まで解説します。
小紅書(RED)のユーザー層
小紅書(RED)のユーザー層は、公開情報によると、ユーザーの70%が女性で、ユーザーの50%が30歳未満です。「2022年千瓜活跃用户画像趋势報告」から提供された情報によれば、ユーザー層は下記6種類に大別されます。
・Z世代
・若いホワイトカラー
・トレンドリーダー
・独身者
・育児世代の若い女性
・ライフススタイルに拘りを持っている方
多くの好奇心旺盛な方が利用しています。
REDのユーザーベースは月間アクティブユーザーが7.5億人のDouyinや7億人のKuaishouと比較すると、大幅に少ない規模に感じられるかと思います。ただし、REDのユーザーの多くは中国大陸における一線都市~二線都市(比較的裕福なエリア)に集中しているため、「安いものが正義」という価値観よりも「自分の好きなものにはきちんとお金を支払う」という価値観が優勢と言われています。
そのため、REDは低価格主導のプラットフォームではないため、RED内での宣伝及び出店によりブランド価値が薄れることはないと言えます。
小紅書(RED)の開設条件と2種類のアカウント
小紅書(RED)には一般アカウントと公式認証アカウントの2種類があります。公式認証アカウントのほうが信用が高く、分析機能をはじめ、できることの範囲が広がります。
REDアカウントの公式認証には現時点(2024年4月)ではDouyinと異なり、中国大陸の現地法人が必要ありません。日本国内からの申請が可能です。しかし、
・プラットフォームへの申請書類を中国語で作成すること
・調整のやりとりを中国語で行う必要があること
・中国大陸で使用できる電話番号が必要となること
上記を踏まえると、二の足を踏んでしまうケースが多いと思います。ベクトルチャイナは中国現地法人のため、開設サポートも承っております。自社内のリソースでの対応が難しい場合はお気軽にご相談ください。
認証アカウント開設手順と必要書類
ブランド・ロゴの商標登録証・ロゴデータ
直近、ロゴの商標登録無しでも申請が通過しております。中国国内での商標登録証がないのであれば日本でのものは必要ありません。(2024年4月時点)
企業側の履歴事項全部証明書
中国語と英語に翻訳した資料も要添付です。提出するすべての資料(翻訳資料)に社判も押す必要があります。
担当者の連絡先
氏名、パスポート、携帯番号、メールアドレスが必要です。
企業アカウント用の携帯
担当者の連絡先と同じで問題ありません。電話番号宛てに中国語で電話がかかってくる、或いは、中国語でメールが届き、不足している資料の確認を行います。
アカウント申請書
小紅書(RED)の指定フォーマットをダウンロードし、必要事項を記入します。
上記の書類を指定フォームを通じて提出し、審査に合格すると公式認証アカウントとしてアカウント運用を開始することができます。
※上記の書類は必要最低限のものですが、小紅書(RED)側から通関証明書などの追加資料が求められる場合があるため、小紅書(RED)側との連絡をとれる体制を作ることが必要です。
公式認証アカウント運営で知っておくと良いこと
ECチャネルを開設できる
公式認証アカウントを申請した後、小紅書(RED)内にショップを開設することもできます。
ライブコマース機能を利用できる
小紅書(RED)には、EC分野でも成長著しいライブコマース機能も備わっています。
2023年の公式発表によると、2.6億人の月間アクティブユーザーがいる一大プラットフォーム。
ユーザーの過去の閲覧履歴からコンテンツをおすすめする分散型の表示アルゴリズムを採用しているため、中小規模の事業者でも十分露出することが可能。広告費を抑えることができます。
抖音(ドウイン)のような「低価格促進」や「たたき商売」なスタイル異なり、小紅書(RED)のライブ配信・ライブコマースは比較的理性的です。そのため、高単価、高変換率、高リピート購入率の特徴を備えています。
そして本当に欲しい物をおすすめする購買スタイルが支持されています。
口コミの信頼性を重視する小紅書(RED)では、品質の高さを訴求するライブコマースが相性が良いでしょう。
※ライブコマースやECチャネル開設には中国法人が必要になる場合があります。小紅書(RED)内の規定変更は度々行われますので、都度確認をすることをお勧めいたします。
7:3の原則
小紅書(RED)はライフスタイルプラットフォームであり、広告プラットフォームではありません。したがって投稿内容がユーザーの生活に役立つかどうかを考慮する必要があります。具体的には、
・実用的なお役立ちコンテンツ⇒70%
・製品広告⇒30%
の割合がオススメです。
プロフィールの設定
アカウントプロフィールページにはブランド紹介・企業情報を簡潔に記載することができます。認証アカウントのうち、広告プラン(聚光平台)を開設している場合は、中国国内の実店舗の所在地を記載することができます。WeChatや電話番号と言った外部誘導を促す情報の記載はNGとなっています。システムに違反していると判断された場合、警告の後、アカウント凍結に繋がる可能性があります。
トップに固定する投稿の選択
instagramやX(旧twitter)と同様に、投稿一覧のトップに恒に表示させる固定表示が小紅書(RED)でも可能です。特に伝えたい内容や告知情報を固定しておくと良いでしょう。
RED(小紅書)でのプロモーション時の注意点
日本より厳しいインフルエンサー(KOL・KOC)活用広告
日本ではインフルエンサー(KOL・KOC)と協力し広告目的のコンテンツを発信する際、PR表記が必須です。対して、中国であればそのあたりは甘いのでは?と考えられている方もいるかもしれません。しかし小紅書(RED)においてはユーザーの心地よい体験を維持するために投稿された内容の審査を厳格に行い、コンテンツ品質を確保しています。
小紅書(RED)には下記2タイプの投稿ノートがあります。
・报备笔记(広告申請投稿)
・非报备笔记(非広告申請投稿)
报备笔记(広告申請投稿)と不报备记笔记(非広告申請投稿)は他のユーザーから見た際には違いはなく、
「広告」「sponsored」と言った表記は特になされません。
ただし、インフルエンサーの影響力(フォロワー数や各投稿のエンゲージメント率など)を勘案して、一定数以上フォロワーがいる“KOC/KOL=インフルエンサー”に対してはRED側から报备(広告申請)が要求され、支払いをする必要があります。金額は各人異なる為都度確認することが必要ですが、一般的にフォロワー数が多いほど、金額も高くなる傾向があります。
报备を行う理由としては、広告色の強い投稿で报备を行っていない場合、露出制限などのペナルティが課され、今後のPR活動が大きく阻害されることになります。そのため、少しでも広告色の有る投稿をインフルエンサーに依頼する場合には、
报备笔记(広告申請投稿)を念頭に置いてコミュニケーションを図るほうがスムーズに進行出来るでしょう。
参考:
【中国】KOL・KOCとは?ランク別活用術と注意点
报备笔记(広告申請投稿)の条件
报备笔记(広告申請投稿)の申請には下記条件があります。
・企業側:小紅書で企業アカウントとして認定され、ログインできること。
・インフルエンサー側(KOL、KOC):
A. ファン数が5000人以上。
B. 過去半年間に2000人以上の読者が10本以上のノートを読む。
C. 違反行為がないこと。
検索ランキングを最適化する
ユーザーは関心事項について小紅書(RED)内で検索をすることができます。Google検索のSEOが重要であると同様に、小紅書(RED)でも上位表示させていくことでより多くのユーザーの流入を見込むことができます。
出典:小红书关键词seo排名优化
小紅書(RED)内で広告出稿を行う
小紅書(RED)での広告への費用投下には、2つの方法があります。
1つ目は、公式アカウントの横にある広告センターをクリックし、適切な広告資格情報をアップロードして審査を通過した後、ターゲティング広告を設定することです。
2つ目は、小紅書のパートナーや代理店に連絡して、広告出稿を手伝ってもらうことです。
※健康食品、歯科、美容医療など特定の業界では、資格情報の提出が必要なため、事前に準備する必要があります。
出典:小红书效果广告投放操作指南
【保存版】小紅書(RED)用語集
小紅書(RED)を運用する中で出てくる用語について解説してみました。ご活用ください。
2023-10-23追記 中国版インスタグラム_小紅書の最新動向
2023年の夏休みに、小紅書は中国の17都市で、ショッピングモールや地下鉄、駅、観光バスなどの車体を使った屋外広告を通じて旅行情報を広めました。
小紅書はこれまで化粧品やファッション、ライフスタイルに関する口コミSNSメディアとして知られていましたが、新たに旅行情報の共有プラットフォームとしても存在感が増しています。観光コンテンツへのアクセスを強化し、「REDで旅行ガイドを探そう」という意識を人々に植え付け、実用的な価値を高めています。また、旅行関連のコンテンツ開発にも今後更に取り組んでいく方針です。
小紅書(RED)を活用したい企業様へ
当社では、小紅書(RED)を利用した中国市場向けのプロモーションにおいて、アカウント開設から運用、小紅書内広告の設定、KOL・KOCの選定など、幅広いサービスを提供しています。過去事例や料金についても、ご興味があればお気軽にお問い合わせください。